お米のイネの種類
イネやお米はどのように分類されるのでしょうか。
1.形態、遺伝的な分類
分類 | 特徴 |
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インディカ米 | 中国南部、東南アジア諸国、インド、アメリカなどで栽培されている。世界で栽培されるイネの8割を占める。粒が細長く、炊いたときの食感はぱさぱさしている。 |
ジャポニカ米 | 日本、朝鮮半島、中国東北部、オーストラリア、アメリカ西部で栽培されている。粒が短く、炊いたときの食感は粘りがある。 |
ジャバニカ米 | インドネシアや中南米で栽培されている。インディカとジャポニカの中間の形状で、炊いたときの食感は、インディカ米に近く、粘りはあまりない。 |
2.粒の長さや幅による分類
分類 | 長さ(mm) | 幅(mm) |
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長粒種 | 6.61~ | 3.0~ |
中粒種 | 5.51~6.60 | 2.1~2.9 |
短粒種 | ~5.50 | ~2.0 |
3.デンプンの質の違いによる分類
お米の粘り具合を左右するのはデンプンです。デンプンとは、単糖類であるブドウ糖(グルコース)がたくさん結合した多糖類で、グルコースのつながり方の違いによって2つのタイプに分けられます。グルコースが枝分かれして結合したアミロペチンと、直鎖状に連なったアミロースがあります。
アミロースをまったく含まず、アミロペクチンが100%のお米が「もち米」です。そしてもち米以外のお米は全て「うるち米」に分類されます。日本のうるち米は、アミロースが約20%、アミロペクチンが約80%の割合となっています。 お米を炊いたときには、アミロペクチンは粘りを出す働きがあり、アミロースはぱさぱさとした食感を生み出します。
4.精米の程度による分類
分類 | 説明 |
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玄米 | 籾から籾殻を取り除いたもの |
発芽玄米 | 玄米を水につけて、わずかに発芽させたお米 |
分搗き米 (ぶつきまい) |
玄米から糠層と胚芽の一部を取り除いたもの。(例えば、「5分搗き」という場合は、糠層と胚芽の50%を取り除いたお米ということです。「3分搗き」は30%、「7分搗き」は70%を取り除いたという意味です。) |
白米 (普通精米) |
玄米から糠層と胚芽を完全に取り除いたお米 |
白米 (無洗米) |
白米(普通精米)から亜糊粉層を取り除いたお米 |
5.稲の成長スピードによる分類
お米の品種のうち、早く成長するものを早生・早稲(わせ)、遅いものを晩生・晩稲(おくて)、その中間のものを中生・中稲(なかて)と呼びます。例えば北海道では、稲の栽培適期が短いため、早生で耐冷性が強い品種が栽培に適しています。
このような分類は、栽培期間が〇日以上のものを早生と呼ぶ、というような明確な基準があるわけではなく、品種ごとの栽培期間の相対的な比較により分類されています。早生の中でも特に栽培期間が短いものを極早生と分類することもあり、逆の場合に極晩生と分類することもあります。
お米だけでなく、野菜などの他の作物も、栽培期間の長さを基準とした性質によって、同様に分類されます。